読売新聞の 「時代の証言者」 に "桜守 佐野籐右衛門" としてシリーズで紹介されている記事があります。
お読みになった方もおられると思いますが、私なりに非常に印象に残った<おやじの後を追った桜>を抜粋して紹介したいと思います。
多少なりとも園芸にたずさわる者としてある意味、衝撃的だったからです。
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冬の朝、おやじが脳梗塞で倒れ、寝込むようになると、うちの枝垂桜も咲きが悪い。
おやじの調子がええ年は、普通に咲くんですわ。
入院すると桜もじわじわ弱ってきたが、春には満開になりよった。
おやじが5月に亡くなった後、桜の葉が勢いよく出てきたから、「元気を取り戻したんやな」と思ったら、1ヶ月後に突然枯れましたわ。 (全文を紹介)
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動物と飼い主のあいだでは後を追うように亡くなる話しはよく耳にしますが・・・。
生意気なようですが何かわかるような気がするんです。
花なり植木が元気よく芽を吹き出すと嬉しいものですが、剪定に迷って思わず "ごめん!"とつぶやく事もしばしばあります。
管理の仕方がいい加減であっても芽を吹き出すと 「あぁ、許してくれたのかな」って思えるんです。
[ 佐野籐右衛門 ]
嵯峨野の広沢池の近くに住む造園業・植藤の16代目。 昭和31年、彫刻家イサム・ノグチ氏と共同で、パリのユネスコ本部に日本庭園を作ったことを肉切りに、世界各国に日本庭園を手がけた功績が認められて、平成9年、ユネスコからピカソ・メダルが贈られた。